Wonder Laboの授業内活動には「プロジェクト」と「アクティビティ」の2つのタイプがあります。
子どもたちにとって「おもしろそう」と感じられ、取り組む過程で重要な力が鍛えられるテーマに取り組みます。教室の中だけに閉じておらず、作品をネットで公開したり、地域の団体から現実の課題をもらって解決策を考えたりします。
プロジェクトで必要になる力を楽しく鍛える活動です。例えば「それはちょうどいい!」というアクティビティでは、一見困った状況(例:お誕生日会の最中に停電してしまった!)がお題として出され、「それはちょうどいい!と考えると?」と問われます。真っ暗な状況を逆手にとって「外に出て星を見ながら普段言わないことを語り合おう!」といったアイデアを考える中で、物事を一面的でなく多面的に捉える練習をしています。
プロジェクトもアクティビティも、次の三つの力を高めるよう細かく設計されています。
前期に取り組んだプロジェクトを紹介します。
生徒たちが家族や先生を見ていて「大人あるあるだけど、なんか変じゃない?」と思うことを題材に探します。
大人が子どもを見てその行動を笑いにした作品は世の中にいろいろあります。一方、子どもは子どもで大人を見て「なんか変」と感じているはずですが、あまり表に出ていません。大人にとっては当たり前でも、子どもには当たり前でないことはたくさんあるはず。そこで、生徒たちが日常の中で感じる「大人あるあるだけど、なんか変じゃない?」を題材に、ユーモラスな動画を作るプロジェクトに取り組みました。
意外と難しい段階です。人は「変だ」と思うことでも変えられないと感じると「そういうもんだ」とやり過ごし、そのうちおかしいとも思わなくなります。しかしこちらが例を紹介したり、他の生徒の例を見るうちに、みんなから出てくるようになりました。
「は!忘れてたけど、お年玉、なんで"お母さんが預かるわよ"って言われて、返してもらえないままになるんだろう?」
このプロジェクトの意図は、大人にケチをつける子を育てることではありません。自分の率直な気持ちから感じる違和感を抑え込まず言語化できることが、「やりたいこと」を見つける力——つまり革新と創造につながる力を育てます。世の中の多くのヒット商品や革新は、違和感や不満から生まれています。
スマホが登場する前、カバンの中に携帯電話・電子手帳・携帯音楽プレイヤーが別々に入っているのが「当たり前」でした。「なんか変。一緒にできないの?」と商品化したのがAppleです。フリマアプリができる前、まだ使えるものをリサイクルショップに持ち込んでも値がつかず、もやもやした経験はないでしょうか。違和感は、新しい価値の種です。
見つけた違和感をそのまま相手にぶつけても「批判」でしかありません。正しくても受け入れられにくく、雰囲気も悪くなります。そこで強力な策が、ユーモアへの転換です。日本が誇る七五調、川柳に仕立てます。センスある川柳になっていると、一緒に笑えて、もしかしたら対話や状況改善につながるかもしれません。
川柳作りにはAIの助けを借りました。AIはこの用途にかなり強力で、「そう来たか!」というものを出してきます。「休日の朝、お母さんが掃除機をかけてうるさい」というあるあるを、AIはこう仕立てました。
「ダイソンも 母にかかれば 僕の目覚まし」
これには生徒もスタッフも大笑い。俄然、制作意欲が高まりました。
「自分のこんな素材をこんなふうに料理できるのか」と視点が広がり、言葉を操る妙を感じられるのはAIならでは。また他の生徒の川柳を見て「これはどういう状況だろう?」と想像することも、考える力を育てます。生徒たちはとても楽しそうに、まさに遊ぶように学んでいました。
川柳だけでは終わりません。状況説明動画を作ります。くすっと笑わせるための工夫は、イラスト・ナレーション・SE・文字のデザインなど多岐にわたります。初めて見る人にきちんと伝えるのは、生徒たちにとって簡単ではありません。その試行錯誤の中で、相手の状況を推測する力、「おもしろさ」の仕組みを理解する力、クラスメートと相互フィードバックしながら協働する力が育まれます。
ワンダーラボ
毎日をおもしろがれる探究力が育つ教室
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